私が選んで生まれてきた

晴れた空に雲が気持ち良さそうに浮かんでいた日、
父とお別れをしました。
腕の中で抱きしめながら、たくさんありがとうを言いました。

やっと自宅に戻って来れて、
とても幸せそうな嬉しそうな顔をしていました。

あの世に行くための旅の支度を家族で手伝い(シャンプーもした)、
できるだけ身軽にするために写真と手紙だけを入れました。

道中辛いことがあったら、
これを見てほっとしてもらったり、
大丈夫、まっすぐ進んで行ってねと背中を押してあげられるように。
無事、行くべき場所に行かれますようにと願いました。

本当はもっともっと話がしたかった。
もっと長くそばにいて欲しかった。
後から出てくる私の知らない話。
こんなに温かく優しく賢く強く、
素晴らしい人を私は父に選んで生まれてきた。

もう会えないことがとても寂しいけれど、
少しずついつもの日常に戻り、
私は父の子であることを恥じないように、
いえ、自分自身に恥じないように生きていきたい。

朝起きて、仕事をして、ご飯を作って、母をみて。
毎日自分のやれることをやり、
行きたい道を進み、
謙虚に、でも喜怒哀楽を素直に感じながら毎日を過ごしていこう。

お父さん
本当に私のお父さんでいてくれてありがとう。
あちらに行っても修行がんばってね。
そしてまたいつか会おうね。













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