ひとりで生きる

江原啓之さんの本を、本屋さんで立ち読みしました。
どの本に書かれていたか忘れてしまいましたが、
子どもが巣立った後に生じる、ぽっかり心に穴があく『空の巣症候群』の相談話。

外国では、往々にして、夫婦の絆の元に子どもが存在しているという考えに対し、
日本では、夫婦関係をおろそかにして子どもへ愛情を注ぐ、ということがあるので(一概には言えないとは思うが)、結果としてそうなってしまうということ。
子離れできない親にとっての、子どもの自律は、
子育てを終えたという安心感よりも、喪失感や虚無感、その後の孤独感というものに悩まされてしまうようです。

江原さんが言っていたのは、その孤独感を手放しなさい、というものでした。
自分が作り上げたものは、自分で責任を持ちなさいという意味なのでしょう。
そして、もう子育ては終了したんだという自覚と誇りをもって、自分のための人生を生きていくということ。

振りかえってみれば、
毎日食事を作り、お弁当を作り、洗濯をし、PTA行事に参加し、部活の送迎をし、子どもを通して人間関係もそれなりに培ってきた・・・
コミュニケーション力、社会性、同時に2つ以上のことを行うスキル、忙しさの中で楽しむ力、体力気力、など、
ひとりで生きていく力は、充分に養われてきたことに気づかされるのではないかと思います。

子どもの自律が、孤独へつながり、自分を苦しめるもの(悩ませるもの)ではないことが分かります。
そしてまた、それをきっかけに、これまで見ないようにしてきたものに目を向ける生活が始まるかもしれません。

こうした『空の巣症候群』は、夫婦、自分と親、仕事、社会など対象となるものは、さまざまあると思いました。
対象となることへの期待が強ければ、落胆も大きく失望も深いかもしれません。
人と関わりながら生きることは避けられませんし、そういったつながりがあって豊かな人生になることも知っている。
だからこそ、人と共に生きる中で、ひとりでも幸せに生きられる術を得ていなければならないのだと感じました。
相手がいて幸せになれる人生ではなく、
ひとりで向かう先はどこなのか、どうありたいのか、
少しずつ、志なるものを確立させていきたい、そうなっていきたいです。

クリスマス、お正月と、家族や自分が出会った人たちのことを思う機会が増していますが、
まずはひとりで幸せに生きるという前提があることを忘れないようにしたいです。











コメント