自分にとってのアート

いつも楽しみに見ている『日曜美術館』という番組があります。
地方ではまずお目にかかることができない、全国の美術館で開期中のものを見ることができるので、
いつもテレビの前で、はあ~・・・とか、ほう~・・・とか、
作品の美しさや壮大さ、そのエネルギーに感嘆の声をあげながら見ています。
テレビの画面ごしでも、こんなに心が揺さぶられるのに、
実際にその場所へ行って見ることができたら、どんなにか感動するだろう~
アートって、人生に癒し、励まし、楽しさ、よろこび、元気、そして時にリセット、休息をあたえてくれる。

今日見た作品の中には、なんと花粉を採取してそれを床に四角く敷きつめたものがありました(花粉症の方が見たら、くしゃみが出そう)。
花粉をふるいにかけながら、黄色よりちょっとクリーム色がかった、温かみのあるキャンバスが出来上がっていく様子は圧巻。
この作者(ドイツのヴォルフガング・ライプさん)は、牛乳や大理石、お米でも作品をつくっています。すごい発想ですね。

先日、ドライブ途中にはじめて入った喫茶店で、おもしろいアートを見ました。
『書』です。
入口に「断捨離中」と書かれてあって(営業中と断捨離中、どっちが主なのか迷ったが)、
個性が爆発した感じのマスターと、本当に物を片づけている最中ですという感じの店内、無造作に飾ってあるというより貼りつけられた『書』に、
これって、全部が(全体で)アートなんだろうなあ・・・と思った。
店内は、独特の緊張感すらありましたが(入って良かったのかなという、若干遠慮の気持ち)、
コーヒーのおいしさにだんだん居心地がよくなっていきました。

マスターは喫茶店があまりにも暇だったので、
小さい頃通信教育で習った(あまりにも田舎で習字教室もなかったとのこと)『書』を書いて時間をつぶしているうちに、
その時ひらめいた言葉や、思い、気になっていること、忘れたくないものなど、
書くことが日常になっていったそうです。
希望すれば、そのときその方が思いついた言葉、好きな字を書いて差し上げているそう。お客さんも自分で書いていいという、自由さで、何年ぶりかでお習字しました。
筆の柔らかさと、墨のぽたっとした紙に吸いつく感じが、とっても気持ち良かった。

芸術と言えるかどうかなど関係なくて、
自分の内側からわきあがるものを形として表現してしていく、すべてその人にとって、
またそれを見た誰かにとっての力になっていくものがアート。
それは、とても身近でもあって、気負いのないものなんだなあと思いました。

わたしもマスターに一筆書いてもらいましたが、
まさか右から横にいくとは思ってもみませんでした。
こういう『真紀』は、生まれてはじめて見た・・・かっこいい、型破りな新しい自分と出会ったようでうれしかったです。











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