本を読むと・・・

以前、エッセイが好きで数人の作家さんの本をよく読んでいました。
その中の、少し辛口の文章が得意の作家さんの新刊が出ていました。
そこまで見ているんだという観察力、おかしいほどに自分をつらぬく姿など、
ひさしぶりにわくわくした感じを思い出しながら本を購入しました。

ところが・・・
読み進めていくうちに、確かに視点も相変わらずするどく、
ときに世の中の流れと逆行する作者の行動も心の声もおもしろいのですが、
思ったよりもすらすらと読み終えてしまい(パラパラとページをめくっていく)、拍子抜けしてしまった感がありました。
あれ、本の好みが変わったかな自分。
懐かしいほどの、あのころ好きだった切り口、こまかな視点での文章表現が、今の自分にはあまり響いていかない。

『これはだめだ』と作者が思うことに共感して笑っていたのに、
『これはそんな、だめではないかも』に変化している・・・
以前は、そうそう、こういう人っているよね~と眉間にシワをよせていたことが、もしかしたら、シワを寄せることがなくなってきているのかもしれない。

もうちょっとおもしろかったはずだ、とまた読み返してみましたが、やっぱり淡々と読んでしまいました。
同じ本を昔と今で読みくらべたとき、まったく違った感想(あらたな発見)が出てくるものですが、
自分の持つパターンの変化を、本の中の作者のパターンを読みながら感じたということだったのかもしれませんね。
作者と一緒にイライラしたり、はらはらしたり、頑固になったり、という自分(パターン)がいなくなってきていた。

これは、これで~
ちょっとおもしろかった。











コメント