うさぎと暮らす

今から10年ほど前、うさぎを飼っていました。
真っ白で、耳がぴんと長く立っていて、お目目が真っ赤なうさぎの『ミミ』です。
市内の情報誌に、「生後3か月のうさぎ(メス)をかわいがってくれる方へ」とあり、
一目見たくなりました。
夫は、見るだけだぞ~って、乗り気ゼロ。
そんな夫がミミとご対面して開口一番、
「うわあ、白い・・・かわいい・・・」
と、腑抜けになったのを覚えています。
そのまま即決で連れて帰り、ミミは家族の一員になりました。

まるで女王様のようなツンとした表情と気まぐれさが、何とも可愛かったです。
やはり、夫のことが大好きで、夫が寝ながらテレビを見ていると必ず足元に来て、寄り添うようにぴたーっとくっついていました。
しかも、足を完全に伸ばし(野生動物にとってこれ以上ない安心のポーズ)、夫へ対しての信頼というか安心感が半端なかったようです。

娘に対しては、お友達だと思っていたかもしれません。
なでてあげると本当に気持ち良さそうな目で(目が長~くなって)、ほっぺたを伸ばされても黙ってされるがままでした。
そして、私はというとー、ただの『ご飯くれる人』。
私がご飯の用意をすると、部屋の隅っこから全力疾走で走ってきます(行き過ぎて滑ってUターンしてくる)。
夏に、エアコンをかけ忘れて外出したものなら、用事をキャンセルして家に戻ったこともありました。
寂しがり屋なのか、注目されたがりなのか、みんなで笑って楽しくやっていると、怒って足を床にドンドンってすごい音を出して鳴らすのです。
そんなミミ中心の生活も、楽しかったです。

懐かしい思い出がたくさんあるうさぎ生活でしたが、
今日はミミを譲ってくれた家(ミミの実家)の方と偶然再会したのでした。
仕事で私を訪ねてきた方が、なんと、ミミを飼っていた家のお嬢さんだったのです。
まだ小学生だったそのお嬢さんは、ミミのことも覚えていたので、とても嬉しかったです。

今は旅行のときなど考え、動物を飼うことをやめています。
最後を看取るときを思うと、人間も動物も関係なく悲しいです。
自分が辛いというのもあるし、人に飼われて悲しかったり苦しかったりすることがないように、と考えるともう動物は飼えないかもしれません。
庭にときどき小鳥が来たり、猫が通ったり、毎日散歩する犬を見かけたりするだけで今は十分です。

うさぎを飼ってから、うさぎのファーや小物であっても動物の毛皮を身につけることは辞めました。
小さくて短い命だけど、今を生きて、楽しんで、みんな地球に住むもの同士。
動物も人間も住みやすいように、地球を汚さないようにしていきたいです。















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