母と私の日常

母が焼き肉を食べたいと言うので、夕方二人で出かけました。
たまに行く焼き肉屋がリフォーム中だったので、少し遠くの焼き肉屋へ行きました。
そこで40分くらい待つと言われ、
「あらー、そんなに待つの~」
と母が嫌そうな顔をしたので、迷わず定食屋へ移動しました。

そこに入って注文をし終えると、今度は
「なんかうるさいわねー」
とまたしても、母の顔がくもりました。
確かに、お酒が飲めるところだから飲んでいる人たちは騒がしく、会話が聞こえにくいという感じがありました。
でも、もう注文もして時間がたってしまったしなあ、と思い、
自分の声を大きくして(母は耳が遠いので)、周りの音が気にならないようにと
会話を続けていたのですが、
「何かもう、うるさいから、嫌だわ」
と、すごい形相になっています。
・・・これはもうやばい、出よう。

結局、家を出てから1時間後、近所のラーメン屋で落ち着きました。
母は安心したのか、
「美味しいわね」と何度も言って、満足そうに食べていました。

こういうことがよく起こります。
自分が疲れているときは、ちょっとイライラしてきます。
母は、自分にとって嫌だと思うことについては、露骨に怪訝そうな顔をしたり、
周りに聞こえるかどうかなど気にせず、文句を言います。
すごく、正直。

昔はこんな風な母ではなかったような気がします。
どちらかというと、多少のことは我慢するようなタイプだったと思うし、
もめごとがないように楽しく繕うのが母の役割だったような・・・
それが最近、誰かによく思われたいとか、合わせるとか、そういうことが一切なくなったようです。

83歳生きてきて、もう自分の思ったままに話したり行動したりしたい(それしかできなくなっている)のかもしれません。
娘として、じゃまをしないようにやりたいようにさせてあげたいなあと思います。

母の認知症は、ありがたいことに一進一退で、とてもゆっくりしたものです。
これは母に起きていることではありますが、
私が母のことをどう捉えていくのかで、母の状態が変わっていくようにも見えます。
何に困っているのか、何が不安なのか、どうしてそんなことばかり言うのか、理解していきたいです。
しかし、さすがに同じ日に同じ話が4~5回目、っていうときは
「その話、3回目だよ(一応遠慮して少なく言う)」
と、私も言います。

誰しも老いていくのですから、
先に老いを見せてくれる母に敬意を持ちながら、
これまでと違う生き方をする母を見守り、一緒に居られる時間を大事にしていきたいと思っています。






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