去年と違う景色

今年の紅葉は、いつもよりもまして、とても美しさが際立っているように見えます。
特に、紅葉の盛りを少し過ぎたあたりから、じーっと見入ってしまうほどにいいです。

もりもりっと、きらきらと、黄色く輝いたイチョウの木も大好きなのですが、
北風に吹かれ、雨にも濡れ、葉っぱが痛み落ちはじめ・・・
そういう、少し木が寂しくなっていく感じの状態もまたいいなあと思いました。

街路樹でよく見かけるブナや楓(かえで)の木も、
葉のつく場所の微妙な環境で、色の付き方が異なり、その自然にしかできない配色のバランスが素敵です。
さらに、枯れ葉がそこに混じり合ってくると、さらに深い色味がプラスされ、味わいが増します。
春に注目される桜の木も、紅葉するんですね。
派手さはないのですが、やさしい色づきに親しみがわきます。

今年一年の集大成のように、にぎやかに色づく山。
そのにぎやかさにくすみがかり、
存在を消していくかのような茶色い山へと変わっていく。
毎日、変化していく山を見ながら、静けさと覚悟のようなものを感じます。

以前は、晩秋(紅葉が終わってしまうこと)の寂しさ、はかなさが苦手に思うことがありました。
もうすぐ、あの長く寒い冬が来てしまう・・・
雪(=雪かき)が待っているし、車の運転が大変だし、とにかく不便な生活をイメージしてしまうからです。
ですが今年は、紅葉を美しさの視点だけでなく、その色から感じ取るものが少し変わったように思います。
寂しさの中にも日々新たな日常があることを思い、
はかなさはあるのだけれど、また次への役目として(落ち葉が大地の栄養となっていくように)、自然の流れの中で与えられたことをしていく力強さも感じています。

毎年やってくる季節でも、
そのときの自分の状態で、見えるものが違ってくる。
四季のある日本で、岩手で、暮らせることもありがたいなあと思います。













コメント