少しだけ威厳を保つ

父のいる老人ホームへ、久しぶりに顔を見に行きました。
玄関を入ると、遠くから私を見かけた父が笑っています。
今日はめずらしく食欲があり、お隣りの方のおかずをつまみ食いしていました。

父はよくうなずいています。
どうしていつも、首をリズミカルに縦に動かしてしまうのかよくわかりませんが、
うんうん・・・とずーっと揺れています。
以前、なんでいつも首を振ってばかりいるの?と聞くと、
急にぴたっと止まったことがありました。
止めようと思えば止めることもできることを見せたかったのか・・・
それとも、何か指摘されたということが(内容はわからないが注意をされたと思ったかもしれない)、嫌だったので止まったのか。
いつも、父のやっていることの理由、言いたいこと、気持ちを理解していくことなど、
謎解きのように、考えていくことはとてもおもしろいです。

沖縄に行ってきたことも報告しました。
母と一緒に30年ほど前に旅行に行ってきたことがあり、
また、沖縄民謡がとても好きだったので、沖縄という言葉には反応していました。
私の目を見て、何か言いたいことがある(質問したいことがある)ようでした。
海がきれいだったことと、食べ物がおいしかったことと、お母さんと一緒に行ったんだよね、というキーワードに「ほう~」と言ってうなずく。
沖縄の海を背景に、母の写真をいっぱい撮った父。

明日は、デイサービスで母もお世話になる日です。
母が来る日は、普段昼食をほとんど食べない父が、いつもよりは食べるのだそうです。
母の前では、頑張っていいところを見せようしているのが、何とも健気。
母はそんな父に構わず、お友達とおしゃべりをしたり、塗り絵や縫物をしたりして楽しくやっているようで、
住む場所が離れてしまっても、私はそんな夫婦の日常を、ほんの短い時間でも体験させてもらえていることが、本当にありがたいと感じています。
















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