信頼関係

以前、ある方が、自分の障害ゆえにひどく傷ついてしまった出来事がありました。
そのときわたしは、何かもう少し自分にもできることは無かったか、とても責任を感じ、
何とかしたい気持ちでいっぱいでした。
その方は、起きた出来事だけでなく、過去にもあった似たようなつらい経験や、人への不信感や苛立ち、
消化できない怒りをぶつけてくるようになりました。

今思うと、もうこれ以上は自分には話を聞くことも対応することもできないと、
限界寸前の「転移」「逆転移」という現象が起きていたと思います。
もし、今日もまた敵意を向けられ、耐えられなくなったら、担当を代わってもらおうと決めていました。
がしかし、その日を境に、ほんの少しですがその場の空気が静まっていくような感じがありました。

●○○さんが怖い
●うらまれたくない
●もう傷つけられたくない
など、その日感じた感情をもとに、自分のパターンへの語りかけをし、
そのパターンを救うことだけに専念するような日々があの頃続いていたと思う。

信頼関係を築くということは、ただ相手のことを思うだけではつくれない。
そのときの正直な自分を受け入れること、
自分の成長を止めないことがとても大事だと、その方から教えてもらったように思う。
相手を何とかしたいという気持ちは、それこそ大きなお世話だった。
相手からぶつけられた気持ちに対して感じた自分の気持ちを、ただただ見ていき、
そんな気持ちになっている自分を許すということ。
魂の道場での学びがあって、本当に救われたと思いました(と、感じたのはずっと後のことですが・・・)。

今、なぜそんなことを思ったかというと、
その方が、本当の怒り(小さい頃から抱いていた家族や他人、世間への怒り)を話しながら、
誰に遠慮することなく正直な気持ちを口にし、
それでも生きていかなければならないと、折り合いをつけたかのように話していたからです。
いやなことがある、じゃあ、自分は何を選択する?
といつも問いかける。
そうすると、時には自分が我慢すればいいということだったり、
時には相手に伝えてみたり、時には黙って行動を変えてみたり・・・
と模索しているうちに、あきらめがついたりするのだそう。
このあきらめは、明らかに自分を認めるという、自分を知ること。

こんなふうに変わっていた様子をまのあたりにして、
人間の生きる力ってすごいなあと思いました。
信頼関係って、自分が自分を信頼すること・・・ここからがスタート。
それをまた教えてもらったような気がして、とてもうれしくてありがたいです。









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