他人が気になるときの気持ち

他人のことが気にならない人はいないと思います。
気になるというのは、『私』ではなく、『パターン』が他人をみて何かしら引っかかっている、ということ。

自分の感覚や感情に目を向ける、ということに慣れていないと、
本当は気になっているのに、その感覚や感情をスルーしてしまうことに慣れすぎてしまった結果、感じていない(気になっていない)と思い込んでいる、
ということがあります。
また、本当は気になっているのに、思考で対処してしまい、気にならない自分を頭の世界でつくりあげている(嘘の自分を本物にしようとしている)、
ということもあります。
「自分は他人のことって、気にならないんだよね」
と言っている方は、ほぼ、感情無視か思考対処か、という違っているようで実は同じ理由。

感覚とは、体の感じ方や実際におきている体の現象をいいます。
胸がどきどきする、頭に血がのぼる、息苦しい、震える、食欲がない、涙が出る、具合が悪い等々。
感情は気持ちです。
悲しい、さみしい、腹立たしい、悔しい、不快感、焦燥感、絶望感等々(マイナス感情でいうと)。
特別なことは何もなく、誰にでもあるものです。
なのに・・・どんな気持ち?どんな感覚になっているの?
という質問に、わたしたちはびっくりするほど慣れていません。
どう思っているの?という問いには、答えられても、
気持ちと聞かれると、自分が考えていることを話したり、他人の言っていたことを話したり、
そこには、質問に対する正当な答えを、またしても考えてしまうのです。

気持ちを感じとる(口にする)ことは、
とても無防備で、自分の弱みを見せてしまうことだと思ってしまうのかもしれません。
「感情的になってはいけない」とよく言われることばにも、
感情を見せないようにすることがいいことで、
感情がないほうが、冷静に物事がうまく進んでいくような、どこか理性的で知的なイメージすらあるのかも・・・

自分の考えをまとめたり、考え方の整合性をとったり、ということをほとんどの方が日常的にやっています。わたしもある。
一方で、自分の気持ちを観察し、どんな気持ちであるかを正確に正直に話せる人はとても少ない。

はじめに考えありきではなく、感覚と感情ありき。
ここから他人が気になる自分なんだということがわかり、パターンをみつけ、パターンの言いたいことがわかり、次へと進んでいくことができます。
他人が気になっているときは、気にしないようにしよう、ではなく、
大いに気にしてじっくり観察していこう。








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