向いているかもしれない

利用者さんが今通っている、
職場実習先の介護施設の方から教えてもらいました。
そばにいる・・・というコミュニケーション。

同じテーブルで一緒にご飯を食べ、一緒にテレビを見て、
たまに話しかけ、笑いかけ(相手に反応がないので、独り芝居のように見えるが)、
何かをしてあげるというより、そばで見守っているという状態。

何も話さない(話せない)お年寄りの方がいて、
会話がないからと言って一人にしていい(そばに行かなくもいい)、というわけではない。
誰かがそこにいる、そばで何かしているってとても大事なことなのだそうです。
やることがたくさんある介護の仕事の中でも、この仕事を怠ると、
お年寄りの方たちに落ち着きがなくなったり、また無気力になったり、
不安定になりやすいのだそうです。

そういえば、私の父がいる施設でも、
よく職員の方が、父の隣りで業務記録のようなものを書いていて(隣りで仕事している)、
父は、ここは自分の居場所だといういう風に落ち着きを放って座っている・・・
という光景を見かけます。これですね。

就労訓練をしている利用者さんのほとんどが、
コミュニケーションは苦手だと思い込んでいます。
そのために、働くことに対して自信を持てない方もいます。

介護職の向き不向きを、
何をもって決めるのかわかりませんが、
お年寄りの方と、何の違和感もなくごく自然にそばに居られる、
会話になっていなくても、さほど声がかけれなくても、
となりにずーっと座っていられる方って、向いているのではないかと思います。
沈黙が全く苦痛じゃないって、これも才能ですよね(沈黙は苦痛というのはパターン)。

家族にとって、介護施設で暮らす親の、何が心配かというと、
寂しい思いをしていないだろうか・・・
それに尽きると思います。

だから、そんなふうに接してもらったら、本当に嬉しいし、ありがたい。
本人も、お家にいたときのように、
誰か(家族)がいるような気配を感じられることができたら、
それはとても安心なことでしょう。

職場実習ということもあり、体に触れる業務はあまりできないので、
このような仕事に限定されるということもあります。
でも、この状態が自然にできる方は、
そばにいる・・・という心の在り様が伝わるコミュニケ―ションが取れる方、ということかもしれません。

働き方をよく相談し、短時間勤務で無理なく働けたら、
もっともっと介護の現場で働く障害のある方が増えていくのではないかと思います。
この才能を開花して、超高齢化時代の力となってほしいです。












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