同じ歩幅で歩く

先日の台風の洪水被害が、いまだ復旧しないまま明日の天気予報は雨。
被害がさらに悪化しないことを切に祈るばかりです。

職場でも洪水避難訓練を行いました。
避難場所の確認へ、みんなでぞろぞろと並んで歩いて行きました。
利用者さんの中には、足が不自由な方がいて、
私はその方と一緒に、列から遅れて歩いて行きました。
こうして、ゆっくりと相手に歩幅を合わせて歩くというのは、
とても久しぶりのように思います。

もし、自分の足が不自由になったら、
本当にもどかしく、不便で、やりきれないのではないかと思いました。
やりきれない・・・いえ、そんなキレイな言葉ではなく、
最高に腹が立ち、悔しくて悲しくて変になりそうだって思うでしょう。
早く歩きたくても、思うように足が動かないのですから。
かといって、急ごうとすると転んでしまう危険もあります。
だから、ただただゆっくりと、
足場の良いところを確認するように、
足の運ぶ先を選びながら歩いていく。

「疲れました?」と聞くと、
「全然大丈夫です」と明るく返す。
急ぐことはできないけれど、時間さえかければ、いくらだって歩けると言うんです。
「どのくらい歩けるの?」
「2~3キロは平気ですね」
すごい。私ならその距離は迷わず車。

一歩一歩、相手と同じリズムで歩き続ける帰り道、
「ここだけの話ですけどー」
と、プライベートのお話。
こういう話をするには、ちょうど良い速度なのかもしれないと思いました。
すたすたと歩いては、話の内容もどこか省略的になったかもしれないし、
このゆっくりした動きが、時が止まりそうで止まってはいない感じが、
話がよく伝わってきて、もっと知りたいなあという気持ちになりました。

相手が話しやすいように(歩きやすいように)、自分が少しだけ意識するだけで、
こんなにも同じ世界が目の前に広がっていくんですね。
自分のペースで歩いていては、決して知ることのない世界。
また一緒に歩きたいです。







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