あなたのままで

本日、無事に福田こうへいコンサートへ行ってくることができました・・・母が。
数日前から、母の記憶が飛びに飛び、
一緒に連れていってくれるお友達(同じく80代)の方に状況を話し、
一時はもう行けないなあ、とあきらめ半分。
その後も、いろいろなことが二転三転しながら(わたしのパターンも二転三転忙しかった)、
送迎係のわたしはめでたく任務を終えることができました。
ご先祖の皆々様、本当にありがとうございます(そういう力が働いたとしか思えません!)。

思えば、福田こうへいさんがデビューしてから10年。
いつかコンサートに行きたい!という母へ、
何度かチケット購入に動いてはいましたがなかなか買えず(すごい人気なんですね)、
そうこうしているうちに、母は認知症が進んでいってしまいました。
わたしがお供するならまだしも、
お友達と二人でコンサートに行くなど無謀すぎると思っていましたが、
その方が「大丈夫よ、娘さん安心して。お母さんの手はしっかりにぎって離さないからね」
と、何とも頼もしい言葉をかけて下さったので、思い切ってお願いすることになったのです。

状況を察し、チケットも失くさないようにと預かって下さり、
普段母がどれだけこの方にお世話になっているのだろう、って思うと、
本当に感謝しかありませんでした。

コンサートは予定の終了時間より一時間さらにかかり(さすが地元スター!大サービスだったよう)、
人の波にもみくちゃにされては大変だとお友達が判断してくれて、
アンコールの前に会場を一足先に脱出したのでした。
帰りの待ち合わせ場所に二人が現れたときは、本当にほっとしました。
母はコンサートの感動以上に、わたしが迎えに来ていたことに驚き(その約束だということを忘れている)、
何度も何度も「ちょうど来てくれて、本当に良かったわ~」と言っては喜んでいました。

そのお友達の方はとてもしっかりしていて、母はそうじゃない。
この現実(違い)を見ている自分がいます。
自分の娘が小さかったとき、
娘のお友達はしっかりしていて、うちの子はそうじゃない・・・
と思ったことを思い出しました。
何とも言えないこの気持ちは、寂しさなのか悲しさなのか、
娘に対してそんなことを思うこと自体がかわいそうだ、
「あなたのままでいいんだよ」と言ってあげたい、そういう気持ちだったと思います。

それが今、子どもにではなく親に対して、似たような感情が顔を出します。
どんなに違いをみつけても、「もっとしっかりしてよ~」と思うわけではなく、
しっかりしていない娘のことをとても愛おしく思う気持ち同様、
何度も同じ話をしている(お友達と話題がズレている)母に対しても、
愛おしさがじーんとこみ上げてくるのでした。

たくさんの人に支えられながら母もわたしも生きているんですね。
そうした暮らしの中で、自分はこれからも母に対するパターンが顔を出せば語りかけ、
白を選び、白で母に接していく、
そうやっていくだけ・・・そうやって暮らしていきたい、と決意した夜でした。


















コメント

よーこ さんのコメント…
まきさん、まきさんのお母さん、福田こうへいコンサート、お疲れ様でした!
無事に行ってこられて、良かったですね〜〜〜。
思わず涙ぐんでしまいました。
お友達にも感謝ですね。

まきさんが、勉強会の参加を直前まで迷っていたとはつゆ知らず。
でも、ご一緒できて良かったです。

そしてそして、写真のりんごの絵ですが、何ですか⁈
素敵です!やってみたい!スクラッチアート???
面白そうですね^_^
pyon さんの投稿…
ありがとうございます!
母は、会場のペンライトに「鳥肌たったわ~」と言っていました。
鳥肌って年とっても立つんだ・・・と思いましたよ。


りんごに見えないりんごは、アートセラピー(臨床美術)です。
いろんなやり方があるようですが、自分はこういう絵を描く系も好きです。
無心になるっていいですよね!