マスクの下の顔

マスク生活もゆうに一年が経ち、数々のマスクが登場し、ファッションの一部のようになっています。
かと思えば、最近では効果のところで不織布のマスク派が増えてきました(わたしも仕事柄、このマスクのみ)。

感染対策ができるということ以外に、
マスクをすると顔が隠れる、どんな表情をしているか相手に知られない、
ということがいいことと思っている方もいるかもしれません。
マスクをしていると守られているような感じがして、精神的に安心するという方もいます。
表情が知られないためにかえって堂々といられる、緊張がやわらぐ、
面と向かって話がしやすくなるということもあるようです。

マスクをすると息苦しさがあったり、滑舌が悪くなったり、肌がかゆくなったり、メガネがくもったりと、
いろいろ不便な点がありますが、
何と言っても顔がわからないという点が、つけはじめの頃は、すごい困る~と思っていました。
ですから自分の場合はなるべく、初対面の方など次会ったとき自分だとわかって欲しい方には、
お茶を飲んだりするときにあえて
「こういう顔してますのでよろしく」というつもりで見せるようにしています。
また、顔は顔でも笑った顔を見せたい相手には、
たとえ目尻にシワが大集結しようとも、目で自分の気持ちをわかってもらえるように、
少しオーバーにマスクの下で笑ってたりもします。

先日、自分ではまったくそういうつもりはなかったのですが、
「今日、なんか怒っていた?」と言われたことがありました。
普段はにこにこしているのに、今日は笑わないなあと思ったそうです。
正直びっくりしました。
顔が隠れているのに、どうしてそんなふうに思ったんだろう???
怒っているとか、にこにこしているとか、マスクをしていてもわかるってことですよね。

そんなことがあって、どうせ見えないからどういう表情でもいいでしょうって、
口を半開きにしたり、口をへの字にしたり、ぶすくれる(口をとがらせる)等々、
ふと我に返って、マスクの下の顔を意識するようになりました。

自分がマスクの下の表情を意識するようになってから、
不思議なことに、周囲の人たちの表情もとてもよく見えるようになりました。
あれ?さっきあの人マスクしていたよね?と絶対にマスクはしているのですが、
していないかのように、表情が見えた・・・ということがあるのです。
目が慣れたからなのか、想像力が鍛えられたからなのか、
それとも意識がそこにいっているからなのか。

目は口程に物を言う、ってことなんだと思いますし、
人間の第六感みたいなものもあるんじゃないかって思います。
味覚、聴覚、視覚、嗅覚、触覚以外の感知能力が、五感が制限され続けていくうちに、
本能的に第六感が発達して働いているような・・・。。

それでもやはり、マスクをしないで生活できることに越したことはありません。
自分は外を歩くときはほぼしないのですが、
そういうとき何となく今まで隠れていた『顔』も喜んでいるようで、
深呼吸もいっぱいできるし、
自然と笑顔になっているように思います(口が閉じられ、口角が上がる)。

顔も心も解放していきたいですね。











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