こちらの都合

勝手口の屋根の下に、一輪挿しの小さな花瓶をさかさまにしたようないびつな形をしたものがへばりついていました。
ぱっと見、何だか分からなかった。
その奇妙な形のものは、ネットで調べたらコガタスズメバチ(女王蜂)の巣だとわかり、
えっ、スズメバチ・・・わかった途端、血の気がさーっと引きました。

その他2ヵ所にも巣が出来ていて(こちらは直径15センチほどの丸い巣)、駆除をプロに依頼しようか、それとも自分たちでやるか・・・
結局、今ならまだ自力でできそうだと判断し、ハチがおとなしくなる夜9時に決行することになった(やるのはもちろん夫)。

原付バイクのメットをかぶり、水中ゴーグルをあて、タオルで目の下から首にかけて皮膚が見えないように覆い、
つなぎを2枚重ねで着用し、長靴を履いて、厚手の手袋をして、そのすき間もしっかりと塞ぎ、完全防備。
この格好がオーバーなのかどうかもわかりませんが、素人なので、念には念を入れた。
もしも刺されてアナフィラキシーショックになったら、すぐ救急車を呼べるようにと、
私は携帯を手に持って、勝手口のドアの向こう側(家の中)で待機。
心臓がばくばくしました・・・どうか夫が危険な目にあいませんように・・・(充分あわせているが)。

無事に駆除することができ、ものすごい緊張でどっと疲れてしまいました。
何もしていないのに・・・
ひと仕事終えた~、良かったあ~とまずはひと安心。

巣の中には女王蜂や幼虫が数匹居ました。
せっせと、わたし達に見つからないように、やっとここまで大きくした巣。
それなのに平和に寝ているところを襲撃され、無残に破壊され、
これから育とうとしていた幼虫たちを思うと、なんだかとても悲しい気持ちになりました。

もしここが森の中だったら駆除しないで済んだのに・・・。
ハチだけでなく、
庭の雑草を抜いているときも、似たような気持ちになることが時々あります(ここが森だったら、抜かないんだけどって)。

かといってそのままハチの住処にはできませんからー。
「ごめんなさい。成仏してください」と手を合わせ、
たくさんの命をもらいながら(犠牲にしながら)生きているのが我々人間なんだ、と思った出来事でした。
もうできれば、ここには巣を作らないでね。







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