関心がないものに関心が向くとき

新年あけましておめでとうございます。

静かで厳かで、穏やかな元旦・・・
魂の成長を目指して今年一年、目標を思い出しながら過ごしていけますように。

TVで歌舞伎番組を観ました。
いつもならチャンネルをすぐ変えてしまうところなのですが、
インタビューされていた市川染五郎さん(14歳)の静かで凛としたたたずまいに、惹きつけられて観てしまいました。
今まで歌舞伎は、独特の台詞が聞き取りにくいのと、物語が良く分からないということが(本当に失礼極まりないのだが)、興味につながっていきませんでした。
しかし、51歳にしてはじめて(年齢は関係ないか)
台詞を発するときの声の抑揚、表情、鍛えられた体幹を感じる動き等々
これはすごい・・・と今更ながら思いました。

松本幸四郎さん(親獅子役)と染五郎さん(仔獅子役)の親子で演じる『連獅子』。
私でも知っている、赤と白の長い毛を持って勇ましく頭を振るシーンは、物語の後半だったんですね。
親獅子が仔獅子を谷底へ突き落とし試練を与えるシーンでは、あの毛がまだなかったので、しばし『連獅子』と分からず観ていました。
舞台セットには崖なるものはないのですが、さも転げ落ちていくかのように演じる姿に、
よーく役者の動きを観ていると物語の内容ってわかるんだなあと気づき、また、わかってくるとこんなに面白いのだなあと思いました。

世代の違う二人のそれぞれの演技に、その年代でしか表現できないものがあり、どちらにも魅力があります。
歌舞伎座で観ることができたら、臨場感があってもっと素晴らしいんだろうなあ

たった一日にして、一瞬の間に、今まで関心が全くなかったものに関心がいく、ということがあります。
なぜこれまで、この素晴らしさが分からなかったのだろう、気づかなかったのだろう・・・と思うのですが、
一度気づいてしまうと、もう見えなかった頃の自分の感覚を忘れてしまうかのように、見えてくるものの世界が広がりだします。
その世界はあきらかに感性が磨かれ、人生を豊かにしてくれるもの。うれしいです。

今年は、これまで全く関心の向かなかったものにも、興味が注がれるのかもしれない、
そういう一年になってもいいなあ












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