病院というところ

健康診断でひっかかってしまい、
20代の頃お世話になっていた病院(ガン治療で入退院をしていたところ)で検査をすることになりました。 
当時は、患者さんで待合に座れるところがなくなってしまうほど、廊下までぎゅうぎゅうに混んでいて、
待ち時間が3~4時間というのがあたり前でした。
わたしの担当医の先生は、1日に何百人という患者さんを診て、その間に入院中の患者さんも診て、
ものすごい忙しさだったと思います(先生はいつもパタパタしていた印象)。

あれから医療の在り方も随分変わり、
今は紹介状だけの患者さんを診て、他は地域のかかりつけ医へ移行していく形態になったため、
当時にくらべたら全然ゆとりがあります(座って待つことができる)。
そのゆとりのためなのか個人的なものなのかわかりませんが、診察時の応対も大きく変わっていました。
まず、「こんにちは。はじめまして」という挨拶があってびっくり。
丁寧な所見の説明、しっかりと目を見て診察、
終わるとまた「お待たせして本当にすみません。お大事に」という言葉が続く・・・。
口にはしませんが、いえいえ先生こそお疲れさまです・・・。
誤解があるといけないのですが、当時のドクターは無礼だったということを言いたいのではないですよ。
当時はあの方法しかなかったのだと思いますし、
それでは破綻してしまうと、長い年月をかけて今の形態に改善され、
医療者の方たちも少し余裕が生まれてきたんだなあ(といっても忙しいのでしょうが)
と感じました。

病院に行くというのは、誰しも何かしら不安を持っているわけですから、
多少待たされても、診察してもらったらほっとした~
というところは大事なところですよね。
不安の原因がわかり、今の身体の状態を知ることができるというところが、
わたしにとっての「病院」なんだと思いました。

当時の自分は、入院も長かったのですが、外来治療も長く通い、
本当にたくさんの先生方、看護士さん、技師さん、助士さん、受付の方、また病気を通して知り合ったたくさんの患者さんたち、
本当に数えきれない人と出会い、あちこちでお世話になったことを思い出しました。
今回の担当医の先生からも、自分のお世話になった先生の名前を出すと、
「あ~○○先生に診てもらっていたのですね、私もお世話になりましたよ」と懐かしそうに言っていました。
治療が終わってから本来は経過観察をしていくのですが、
なんかもう病院はいい、って思ってしまい、診察に行くのを勝手に止めたわたし。
先生は、何で来ないのか気に掛けることがあったのかどうかわかりませんが、
今もうお会いすることがない先生へ、心からお礼を言いたいです。

病院の前に古びた喫茶店があるのですが、
この喫茶店に、入院して仲良くなった同じくらいの年の子と、
病院を抜け出し(髪が抜けたわたしはかつらをかぶり)、
どきどきしながらナポリタンを食べたことを思い出しました。
病気の思い出も辛い苦しいだけでなく、おもしろいこともたくさんあったなあと、
陰の中にもまた陰と陽があり。
いいこともそうでないこともぐるぐると周りめぐって、その中で今日まで何とかやってきていることを思います。













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