医者になりたかった
よく聞くフレーズかもしれませんが、
私は、恥ずかしながら・・・医者です。
いつもいつも考えているわけではないのですが、
先日、夫のいつもの受診に付き添ったとき、
主治医の先生と会ってー
ああ、やっぱり私、医者になりたかったなあ
と思いました。
ま、現実は、どう転んでもそんな頭は持っていないので・・・
今生では100%なれなかったと言いきれます。
でも、もしも来世があるのなら、
内科でも外科でも、精神科でも、何科でもいいので(簡単に言うなあ)、
患者さんの話にちゃんと耳を傾けられる医者になりたいです。
夫の主治医はわりと若い男の先生で、
何と言ったらいいのか、誠実でとても温かみのある人です。
夫の言葉を借りると、
育ちがいい『素直に、曲がらず育った人』という感じ。
毎回、夫のピントのずれた話にも耳を傾け一緒に考えてくれます。
夫婦そろって診察室に来る人たちって、
おそらく先生の前でも(誰が相手でも)平気で、
夫婦喧嘩みたいなやり取りをしてしまう人たちが多いと思うのです。
ちゃんと病気に向き合えていないことを、
あれこれ言い訳したり、相手のせいにしたり、ごまかしたり・・・
病気に向き合わない病人を改心させようという目的で、
ここぞとばかりに、同伴している方はいると思います(自分もそれ)。
そういう、見苦しい似た者同士の夫婦のやり取りを、
先生たちってうんざりするほど見ていると思う。
けれど先生は、
それぞれがそれぞれの立場で言っている身勝手なことにも相づちをうち、
どうしたら今より少しでもいい状態になっていけるのか、考えてくれます。
これは、なかなかできることではないと思います。
先生も心の中では、またはじまった~って思っているかもしれませんが、
態度や言葉には出ません(それが、すごい!)。
もちろん、まったく偉そうな態度もなし。
でも、本当は難しい手術を行って新聞にも載ったすごい先生らしいです。
受診の回数を重ねるうちに、私も夫も、
この誠実な先生に診ていただいているのだから、
私たちも、言われたことはやってみようじゃないかと、
自然と素直に思うようになってきています(まだまだ努力が足りないが)。
先生が、それはいいことですよ!と、
言ってくれたことに対しては、なるべく続けるようにして、
先生が、困った顔をしながら、
何とかわかってもらいたいと思っているような、
そういう気持ちが感じられたときは、
その真剣さにこちらも真剣になってしまうのです。
私は体が丈夫ではなかったけれど、
医者には恵まれてきました。
夫も、今病気ではあるけれど、先生には恵まれているので、
それはとてもありがたく幸せなことだなあと思います。
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