純粋な心

毎日お寒い日が続いていますが、
皆さまいかがお過ごしでしょうか。


久しぶりによく晴れた休日の朝、
窓から見える真っ白い山々を見ていたら「遠野に行きたい!」
思い立ったが吉日。
盛岡から車で約一時間半くらいのところにあります『こども本の森 遠野』に行ってきました。





まあなんと、この図書館は見るにも読むにも過ごすにも素晴らしい場所です。
元は老舗呉服三田屋さんだった建物を改築し、
町家風情をそのまま生かした空間は、宿場町だった遠野の街並みにもしっくりきます。
当時の梁(はり)や柱も使われ、電気配線の白いがいしも残されてありました。


靴を脱いであがるので、
はじめて田舎のおばあちゃんちに行った子どものように、
こっちに行くと何があるのかなって、家の中を探検するような感じもあります。


あの安藤忠雄さんが手掛けたというだけあって、
民話が多くある遠野にふさわしいまさに創造力と想像力がかきたてられる空間でした。





天井まで高く並んだカラフルな本たち。
どんな本に出会えるのか、どきどきしながら森の中を見渡しながら歩く感じです。
子どもの頃大好きだった本、読んでみたかった本、装丁がきれいな本、タイトルに興味が注がれる本・・・
もう、わくわくがとまりません。


おとなと子どもの境界線って、好きなものの前では消えてしまうようです。
目をきらきらさせながら読みたい本を探し、
ページをめくる指の感触、紙のやさしい匂い、読み終えたときのぱたんと閉じた本の音、
そして新しい知識と、発見。
五感すべてでその『好き』を捉えているんですね。






そういうアナログな空間がなんとも気持ちよく・・・


たくさん本があって、何を手にしたらいいか迷ってしまうのですが、
ちゃんとわかりやすくテーマごとに本が分けてありますので、
視覚で捉えてもいいし、興味のあるテーマから探してもいいし、
気になる表紙を見つけては手に取り、気に入った場所で読むことができます。


自分を大事に、そして今より少しだけ楽に生きていくための、
やすらぎと気づきをあたえてくれる体験。
本能に根差したもの。
複雑さのない、わかりやすくシンプルなもの。
子どもが喜ぶものには、誰しも昔は子どもだったその純粋な部分が反応してしまうのかなと思いました。




子どものため・・・は、
実は子どもの純真さを思い出すことが下手になったおとなのためでもあるかもしれません。


なごり惜しいまま本の森を後にし、
またいつか一人でゆっくり来たいなあと思いました。





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