江口寿史イラストレーター展



岩手県立美術館で江口寿史さんのイラストレーター展『彼女』が開催されています。
どこかで見たことのある、たくさんの『彼女』がお出迎え。



先日開催されたライブドローイングには残念ながら行けませんでしたが、
その場でマジック一本で描かれた二階堂ふみさんモデルのイラストも、
すごくすてきでした(マッキーを使っていた!)。
等身大を越えたあの大きさのキャンバスに描くって圧巻です。



江口さんの描く女性は、実際にそこで出会った人をモデルにした絵が多くあります。
場所も描きながら(どこにいる彼女か?という視点がまたいいのだ)、
『彼女』が映えるような色遣いが、
とてもドラマチックで生き生きとして、
イラストであって、生身の人間を感じさせてくれます。





原画では髪を結んでいるのに、色を塗るときにはストレートに下ろしていたり、
写真では茶色のコートを着ていたのに、描くときは白いコートになっていたり・・・
もしかしたら、色を乗せると、
描きたいもののイメージが変わってしまうということもあるのかもしれませんが、
似合うヘアスタイル、似合う色がインスピレーションで浮かぶのでしょうね。



それにしても、『色』の持つエネルギ―はすごいなあと思います。
モノクロの原画に色を乗せたとたん、命が吹きこまれるというか・・・
そして、自分が見たものと、実際に描きたい世界というものはちょっと違うのかもしれません。
『彼女』を捉える江口さんの感性が、色遣いにとても表れているように思いました。



江口さんは、街で出会った女性たちと会話をしながらその人物の人間性に触れ、
その心の中の美しい部分を描いているのだと思います。
それを表現したくて色をのせていく・・・
だから、魅力的な彼女になってしまうのでしょうね。
特におしゃれな服を着ていたからではなく、
とび抜けて美人だったからでもなく、
ごく普通にそこで生活していた、仕事していた、学校に行っていた、そういう人たち。
普通の人の美しさを引き出すのです。



  なんと、すべての展示されたイラストが写真OKだった!もっと撮ればよかった・・・


時代がジェンダーレスになっていく中で、
性別の概念も自分自身薄れていっているような気はしますが、
こういう絵を見ていると、女性のやわらかさ、可愛らしさ、
明るさ、朗らかさ、華やかさ、そして見た目と裏腹な強さがとてもいいなあと感じます。
着ている服やヘアスタイルやメイクでがらっと印象が変わるところも、性別問わずあるのでしょうが、
自分の気分を雰囲気で変えられる才能が、女性の方が生まれながらにして備わっているような気がします。



来場者は若い人が多く、イラストのモデルになってもいいような魅力的な女性が目を惹きました。
たくさんのイラストを見ているうちに、
わたしの周りにいる人たちもみんな、この世界でのモデルになれるなあと思いました(自分もなりたい)。























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