自分と違う人



カウンセリングを習いはじめた頃、
自分がとても嫌な人間に思えてならないときがありました。
ワークをやればやるほど、嫌いな人がたくさん湧いて出てくるのです。

この人嫌だ~と思う人があっちにもこっちにも、どんどん増えていくような気がして、
そんな自分に腹が立つし、何だかがっかりしてくるのでした。
はあ、わたしってなんてイヤな性格しているんだ・・・と。

みんな仲良くね、と小さい頃から教えられてきていますし、
人の悪口を言うのは良くないことだと誰もが思って育ってきてます。
だから、嫌いな人、顔も見たくない人、この世から消えてほしい人がいることはひた隠しにしてきた。
でも、本当は、
誰にでも「好き」「嫌い」の感情はあるのです(←これ正常)。
だから、カウンセリングをするようになって嫌いな人がむくむくと増えた、わけではなくて、
前々から嫌いだと思う人を自分の中で、認められなかっただけなのです。

それを口に出せるようになったということ。

やっとのことで自分の中にあるパターン(●この人が嫌い)を見つけてあげられた。
これからやっとこのパターンを救い出すことができる。
これは、自分を受容しはじめた瞬間でもあったのです。

カウンセリングというのは、
自分の内面をひたすら観察していく、受け容れる、ゆるす・・・
という作業を日々やっていくので、
本当にいつか、どんな自分をも受け容れられるようになり、ゆるせるようになっていくのかもしれないし、
そうなったらすべての他人を受け容れ、ゆるせるようになっていくのかもしれません。
これは今生のうちにはどうかと思いますが、
できる限り挑戦していきたいところであり、今は、まずは他人よりも自分です。

今もなお、嫌いな人も好きな人もいるけれど、
それはパターンが選んでいるということがわかります。
そして、パターンではない本当の「私」が選ぶところは何だろうと思うと、
何となく、好きか嫌いかというほかに、
『人と自分の違い』を見ているのかなと感じます。

自分と違う部分を見つけてはただ、自分の考えや感じ方や好みが『違う人』がいるだけなのです。
それが、今自分が見えている事実はこれ・・・といったらいいのか。

大嫌いだと思ってた人が、ある日、
自分とこういうところの感じ方が違う、表現の仕方が違っている、考え方が視点がこんなに違うんだ、
というように見えたりします。
それは他人を観察すること以上に、
自己観察すればするほど、何が違うのかがわかってくるのでおもしろいなあと思います。

「嫌いな人」から「自分と違う人」に変わっていく、この不思議。

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