不安に慣れる
先日、ある方の受診時、精神科のドクターが言っていた言葉に反応していた自分がいました。
それは、会社で嫌なことがあって気分が落ち込んでしまったその方へ、
「これからは、不安にも少しずつ慣れていこうね」
と言った言葉。
そのドクターはお人柄がそもそも優しく穏やかだということもあるのですが、
どんな状況にあっても(聞いているこちらが、それはあなたが悪いでしょって思う事態でも)、
その患者さんの気持ちをうんうんと静かに聴き、受けとめてくれます。
そして、そのあと、今のその方に合った温かな言葉をひと言かけてあげるのでした。
不安に慣れていく・・・
そう、生きていれば不安になることもあるのだから、
不安を感じるあなたでいいんだよ。
少しずつ不安と一緒にいられるように、慣れていこう。
大丈夫、慣れていけるものだよ。
今の自分の状態にしっくりくる解釈で受け取ればいいのだと思いました。
不安だなあ~と思うとき、
そうあってほしくない、という抵抗が起こります。
なぜ抵抗するのかといえば、
自分がその起こり得ることに対して、耐える力がないと信じているからかもしれません。
また、耐えることがとても苦痛でしかなくて、
そんな思いは自分の人生に必要ないと思っているからかもしれません。
必要ないと思っているのに、生まれる感情。
しかも、一日の中でも少しの不安も感じないなんていう日はないかもしれないのに、
避けたいと思っていたら、それは苦しいしつらい・・・。
不安を受け容れる、といえばハードルが一気に上がりますが、
慣れていく、しかも、少しずつでいいからね、練習していこうね、
というのはできそうな感じがあります。
他にも、
避けたい感情、嫌う感情がわいたら、それに抵抗せず、
何とかしようとせずに、ああ、自分は今こう思っているんだなあと、
そのままにしてみるのもいいかもしれません。
それを何度も繰り返し、時に、胸に手をあてて口に出してみる。
「今、自分は不安に思っているんだね」
そうやって、特別なことではなくて、深刻なことではなくて、
不安がそこにあっていい!と自分へ教えてあげよう。
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